NST便り-第12報-

皆さん,こんにちは,そして初めまして.看護師の澤口千晴と申します.

新型コロナウイルス感染の世界的拡大により,日本では政府からの緊急事態宣言(自粛要請)を受けて,社会構造が大きく変容しました.「ソーシャルディスタンス」という新しい距離感が生まれ,「テレワーク」という,家に居ながらにして仕事ができる働き方も普及しました.「リモート〇〇」という,人と対面する会議などをテレビ電話で遠隔参加したり,大人数での宴会も「リモート」で会わずに行うのが流行しているそうです.

このような変化が急速に広がったことは,多くの人にとって大きなストレスだったのではないでしょうか….私も慣れるのに時間がかかりました.家の中ではストレス解消法が見つからず,なんとなく元気が出ない日々を送っていましたが,最近は少しずつ慣れて,「この形がこれからの様式なんだ」と,考えられるようになってきました.

皆さんはいかがでしょうか?

5月25日に,緊急事態宣言が解除となり,道内では,「新北海道スタイル」を守りながら,社会活動,生活の範囲も徐々に拡大してきています.

しかし,ウイルスが0(ゼロ)になるわけではありません.人類がウイルスを死滅させることが出来たのは歴史上「天然痘」だけです.「ペスト」は,13世紀には,当時のヨーロッパの人口の1/3もの人命を奪い,現在も世界で年間100人程度の死者を出しています.恐ろしい話ですが,この「ペスト」は計3回,世界規模で大流行したそうです….

医療が目覚ましい発展を遂げ,多くの人の命が守られていますが,ほとんどのウイルスは死滅するわけではありません.少なくとも今,私たちの周りで感染が拡大していないのは,皆さんが努力している「取り組み」の結果なのだと思います.感染予防はこれからも最重要です.緩めすぎることなく,自覚をもって,一緒に頑張っていきましょう!

最後に…

現代人は古代より格段に栄養状態が良く,体格も変化し,スポーツの記録なども目覚ましく向上しています.平均年齢も日本では約85歳まで上がってきています.食べ物と運動のおかげで,病気に対する抵抗力も上がり,ある意味「強くなってきている」のだと思います.

おいしいものを食べて,新しい様式を楽しめるように,元気に過ごしましょう!

澤口千晴

NST便り-第11報-

2020年度は2年ごとに行われる診療報酬改定の年であります.

 

  4月から実施された改定では「栄養サポートチーム加算」の見直しもあり,算定可能病棟※1の間口が広がり,結核病棟 精神病棟が算定可能となりました.

  当該加算を算定する保健医療機関は専任の専門職(※2:4職種を含む)により構成される栄養管理に係るチームが設置されていることとされています.

  特に4職種におきましては,該当する医療関係団体等が認定する「教育施設において実施される40時間以上を要する研修」の修了が要件とされています.

  例えば,当院が「臨床研修受入可能施設」として認定を受けている『日本病態栄養学会』の場合,当学会が主催する「NSTセミナー」(10時間)の受講が必須となります.

  さらに,臨床研修(ベッドサイド)プログラムとして(10時間以上)の実習も必要です.

  今回の診療報酬改定で対象病棟となった精神科病棟をお持ちの医療機関の皆様は「栄養サポートチーム加算」の施設基準の届出に向け,準備を始めてみてはいかがでしょうか.

  是非,当院での臨床研修お申込みを,お待ちしております(https://www.eiyou.or.jp/nst/list.html).

 

※1〔算定可能病棟(改定後,下線部追加)〕

急性期一般入院料1~7,地域一般入院料1~3,特定機能病院入院基本料

(一般病棟 結核病棟 精神病棟),専門病院入院基本料(7対1 10対1 13対1)

療養病棟入院基本料1 2,結核病棟入院基本料精神病棟入院基本料

※2〔4職種〕

栄養管理に係る所定の研修を修了した専任の常勤医師,常勤看護師,常勤薬剤師,常勤管理栄養士

 

ご連絡先

   江 別 谷 藤 病 院

NST事務局 町田 実

  TEL     011(382)5111

      内線        703

 

NST便り-第10報-

NST便り-第10報-

気温も暖かくなり,過ごしやすい季節になってきました.

今回は,嚥下障害に対する食形態の対応として広く使われている「トロミ」についてお話させていただきます.

トロミ剤とは,誤嚥の予防を目的に,汁物や飲料に付加する物のことを言います.主に汁物や飲料を中心に使用されますが,汁気のある食品に対しても使用が可能となっています.例えば,お粥は嚥下障害のある方の多くが摂食されていますが,時間の経過と共に離水し,本来の食形態とは変化してしまうことがあります.水っぽくなってしまったお粥は,嚥下障害のある方にとっては,サラサラしているためムセやすくなり,誤嚥のリスクが高まり食べにくい形態となってしまいます.そのような場合に,トロミ剤を付加し,安全な形態に調整することがあります.

トロミの必要性や程度は,個人で異なるため,言語聴覚士による評価結果に基づいて判断しています.

また現在,トロミ剤の他にも嚥下調整食など,嚥下障害のある方も安全に食べられる物が広く普及しています.

安全に楽しいお食事の時間を過ごすためにも,各人にあったトロミや嚥下調整食を選択することが大切です.

何かお困りのことがありましたら,是非ご相談下さい.

言語聴覚士 小松 結愛

NST便り-第9報-

NST便り-第9報-

例年より積雪は少なく,春の温かさを感じる季節となりました.

今回は,カロリー(kcal)と運動(筋肉)についてお話させていただきます.カロリー(以下,kcal)という言葉を聞いたことがあるでしょうか.kcalとはエネルギーの単位のことです.1 kcalは1 Lの水を1 ℃温めるエネルギーに相当します.一般的に男性は1800~3100 kcal,女性は1400~2340 kcalが一日に必要となります。多すぎるとエネルギーが余り,脂肪として蓄積し,少なすぎると筋肉が痩せ,骨がスカスカになってしまいます.多すぎず少なすぎずのバランスが大切です.減量を目的とした場合,運動をして痩せようと思うことが多いのではないでしょうか.様々な要因によって変わりますが,歩行の場合,50 kgの人は10 分(670 m)歩くと約26 kcal消費されます.60 kgの人は10分歩くと約32 kcal消費されます.運動で消費されるkcalは思ったよりも少ないと感じた方が多いのではないでしょうか.運動は筋肉を使います.人間の体には大小含めて600程度の筋肉があります.筋肉の役割の中でもお伝えしたいものが3つあります.1つめは熱を作り,代謝を上げる事です.人間の体温は36~37 ℃に保っています.この熱産生の6割は筋肉が担っています.筋肉は常にエネルギーを消費していて,筋肉が多いほどこの発生量が増えて代謝がより上がります.2つめは免疫力を上げることです.免疫細胞は筋肉の中にあるグルタミンというアミノ酸によって活性化されます.そのため,筋肉が減ると免疫機能が低下していまいます.3つめはホルモンの産生です.ホルモンの産生は筋肉内で行われます.ホルモンには抗炎症作用があり,痛みなどの炎症を抑える効果があります。良く食べ,良く休み,適度な運動をすることが重要です.運動はすぐには効果が出ませんが,見えないところで良い効果がたくさんあります.当院にはリハビリテーション科スタッフが45名在籍しております.専門スタッフが外来リハビリテーション,通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションがありますので,あらゆる状況に対応できますので気になる方は是非ご相談下さい!

理学療法士 野陳佳織

NST便り-第8報-

NST便り-第8報-

23回日本病態栄養学会年次学術集会

 

2020年1月24-26日,茨城キリスト教大学 生活科学部 食物健康科学科 石川祐一教授を会長に,国立京都国際会館で第23回日本病態栄養学会年次学術集会が開催されました.

当院から資格講習受験や演題発表で、以下参加いたしました.

当院NSTからの演題発表は3題で、

①P-038 転倒を契機として嚥下障害を呈し,手術後嚥下障害が消失した変形性頸椎症の一例:小松結愛

②P-027 入院患者における服薬内容確認の必要性・重要性:中陳貴史

③P-196 自然災害時の拠点病院としての役割と課題―給食と管理栄養士の立場から―:藤井美里

また、シンポジウム7「精神疾患患者に対するNSTの関わり」で,黒川泰任が座長と基調講演(精神疾患患者栄養管理の難しさ)を努めました.

会期中は天候にも恵まれ,例年見られる比叡山の冠雪もなく、底冷えも実感できませんでした.会員数9000名越えの大きな学会ですが、今回の参加者は5400名、演題数 600題越えでした.

全国の会員に刺激され、またNST活動を邁進していきたいと強く感じました.

黒川泰任

NST便り-第7報-

NST便り-第7報-

令和2年.新しい元号でのはじめての新年を迎えました.

年末年始は例年に比べ雪の量が少なく、ほっと胸をなでおろしています. ですが、北海道の冬の寒さはやはり厳しく、体調を崩される方も多いようで,当院においてもこの時期はインフルエンザなどに感染し受診される方が後を絶ちません.インフルエンザに感染し高熱を発したり、感染性胃腸炎などで嘔吐や下痢を繰り返すことで起こる怖い症状の1つとして ”脱水” が挙げられます.脱水状態になると体の中の様々なバランスが崩れ、思いがけない症状を引き起こす場合があります.特に乳幼児や高齢者の方は水分不足を感じにくいため注意が必要です.私もNSTチームの一員として活動していく中で、脱水の怖さを改めて学びなおしました.    これからまだまだ寒い日々が続きますが、皆様,体調管理に気をつけてお過ごしください.

 

臨床検査技師 澤口春花

 

NST便り-第6報-

NST便り-第6報-

NSTチームが活動を開始して半年が過ぎました.気が付けば12月,忘年会のシーズンとなっておりました.毎年,師走のこの時期は多忙ですね.仕事を終えて宴会場へ向かい,疲れた心身に先ずはビールで乾杯でしょうか!?

ビールには独特の苦みと香りがありますが,これは原料の1つであるホップという植物の成分から得られる効果です.少々詳しく申し上げますと,苦みのもととなる樹脂と,香りのもととなる精油を併せ持っています.この香りには鎮静作用が期待できるという報告があります.以前ビール会社に在籍していた時,ホップ保管庫に入って作業をしていると,いつも何となく落ち着き,作業の手が一瞬止まるほどでした(新入社員研修時には,ホップに鎮静効果があるとは教わらなかったので,先入観があったわけではありません).

さて,長くなりましたが,最後に提案です.乾杯の後,グイッと飲み干す前に,一瞬だけ香りを楽しんでみては如何でしょうか.「心の栄養」になるかもしれません!!

町田郁子(管理栄養士)

NST便り-第5報-

NST便り-第5報-

皆様,はじめまして.言語聴覚士の磯崎孝輔と申します.

20年間,言語聴覚士としてコツコツ努めてきましたが,「NST」という新たな学びの場を,成長の機会ととらえ,自分なりに日々奮闘しております.

言語聴覚士としては「口から食べて,栄養状態を回復してもらえるように…」と,いつも考えを巡らせますが,医療の発展により「超高齢化社会」と言われる日本ですので,なかなかそうはいきません….

「超高齢化社会」なので当然なのかもしれませんが,高齢者の肺炎予防に関しては,「食事形態」,「栄養補助食品」,「食事姿勢」など,様々な研究が行われ,特に誤嚥予防については,日本は「研究熱心だ」と言われています.

日本にはおいしい食べ物が沢山あって,食べることを,単に「栄養補給」として捉えるのではなく,「味」,「香り」,「美しさ」,「情緒」そして「風情」といった沢山の要素で楽しむ文化があります.日本人が食べることに対して「研究熱心」なのは,こうした文化を大切に思う国民性(個人的見解ですが)であると,いつも感じながら仕事に取り組んでいます.こういった仕事に携われることは大変光栄なことです.

今後も,皆様の「食べる楽しみ」を支援していけるように頑張ります!

磯崎孝輔(言語聴覚士)

NST便り-第4報-

NST便り-第4報-

当院は

2019年10月1日より,日本病態栄養学会による

1. 栄養管理・NST実施施設   (19-005)

2. 病態栄養専門医研修認定施設 (N19-003)

(指定を受けているのは,東北・北海道で8施設のみ)

の認定を受けました.

NST便り-第3報-

NST便り-第3報-

日本病態栄養学会 北海道地方会

2019年10月5日(土)市立札幌病院 管理棟会議室において第2回 日本病態栄養学会 北海道地方会学術集会が開催され,当院から11名が参加しました.

11題のNSTに関係した多彩な一般演題と1題の特別講演があり,4時間の熱い研究会でした.

当院からは以下の3演題を発表し,会場の先生方の意見をいただきました.

①頚椎骨棘が嚥下障害の原因と考えられた一例

江別谷藤病院 NST 小松結愛

②自然災害時における病院栄養の対応と課題

江別谷藤病院 NST 藤井美里

③入院患者における服薬内容確認の必要性・重要性

江別谷藤病院薬剤部 中陳貴史

特別講演は女子栄養大学 大学院栄養学研究科教授 本田佳子先生による『代謝性疾患における栄養食事療法のオーダーメイドの探求―栄養指導の効果を見据えて―』で,特に糖尿病管理に関する最新知見をお教えいただきました.

当院のNST活動に大いに刺激になりました.

黒川泰任