NST便り-第55報-

師走前の忙しい時期に当院で認定資格取得のためのNST研修を終えられた苫小牧市立病院のお二人から感想をいただきました.

 お疲れ様でした.自院でも益々ご活躍下さい.

 

苫小牧市立病院 管理栄養士の池田由加理と申します.

 私は, 褥瘡対策チームと, 緩和ケアチームの一員として患者様の栄養評価や栄養提案を行い, 栄養サポートを行っています.

NST回診

 多職種で連携し, 患者さんの情報交換を行うことで, 病状の早期回復に努められていると感じました. また, 黒川先生には, 患者さんの栄養様態を知る為には, 患者さんを診ることが重要であることを教えて頂きました. NST回診では実際に患者さんの手足に直接触れ, 腹水・皮膚の乾燥・拘縮を診ることで病態の理解を深めることができました.

講義 

 栄養を考える基礎となる人間を構成する原子の種類や, 脂肪・筋肉・骨の割合, NaやKの1日の必要量についてお話をして頂きました. 特に印象的でしたのは,  Naは体内に5 molしかないため, 不足しやすく, 食事摂取量が低下した場合や, 高齢者の場合は, 低Na血症を起こしやすいので注意が必要であることです. 今までは, 減塩に意識が向きがちでしたが,  考えを見直すきっかけとなりました.

 この他にも, 筋肉量簡易推定法, 口腔ケア, 薬剤による嚥下機能への影響についてなど, 多くのことを学ばせていただきました.

 この研修での貴重な経験を活かし, これからも患者さんの栄養サポートに努めていきたいと思います。

 指導医の黒川先生をはじめ, 管理栄養士の津川様, 外部講師の高橋様, 薬剤師の中陳様,研修に携わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。

 

苫小牧市立病院管理栄養士の今野由望と申します.

 研修では,沢山の講義を行っていただき,とても勉強になりました.特に身体の中のNa量の把握は重要であること,病棟管理栄養士として食事の喫食量だけでなく,水分摂取量,Na・K値などの血液データも考慮して栄養管理を行っていくことの重要性を学ぶことが出来ました.また,MRIやDXAを実際に見て体験させていただいたことはとても貴重な経験となりました.

 NST回診では,患者様と会話をすることだけでなく,実際に触れて診ることの大切さを知ることができました.また,多職種からの視点の意見を交換し合い,連携している姿に感銘を受け,この度学ばせていただいたことをNSTチームの一員として活かしていきたいと思います.

 ご指導いただいた黒川先生をはじめ,研修で関わってくださった皆様,多忙の中,研修のお時間を作っていただきありがとうございました.他病院での経験は滅多にできないため,とても刺激を受け,貴重な時間となりました. 本当にありがとうございました.心より感謝申し上げます.