NST便り-第26報-

栄養サポートチーム(NST)加算取得

当院では入院患者様における栄養改善・維持の重要性を強く認識し,NST回診を2019年7月17日より開始し,今年7月で2年余りが経過しました.

2019年の10月1日には「日本病態栄養学会認定病態栄養研修施設」として認定を受けました.

その後,2020年1月に,薬剤師1名,管理栄養士1名

また,2021年1月には,看護師2名,管理栄養士2名    が

京都市での厚生労働省NST加算研修を受講し,さらに電子カルテ等のシステム構築を行い,今2021年4月より,晴れて『栄養サポートチーム加算』の施設基準を満たすことが叶い,診療報酬に反映することができました.

その後もNST回診を積極的に行ってまいりましたが,今回2021年9月15日をもって,100回目のNST回診を迎えることと相成りました.

これも一重に院長先生をはじめ,院内外の諸先生,病棟看護師・パラメディカルスタッフ一同の尽力の賜物と深く感謝すると共に,今後も変わらぬご支援・ご高配を賜りますよう宜しくお願い申し上げます.

今後も,患者様の健康回復に尚一層貢献できるように,病院全体として栄養問題に取り込んでいきたいと考えております.

事務部 事務部長 町田 実

外来受付時間変更のお知らせ

お知らせ

外来受付時間の変更

2021年8月26日より午後のコロナワクチン接種受付の為、午前の再診患者様の

受付時間を下記の時間へ変更させていただきますのでご了承ください。

変更前 最終受付 1200

変更後 最終受付 1130

※新患は変更なく11:00迄

院長

NST便り-第25報-

はみがき

はじめまして.

今年からNSTのメンバーとして活動させていただいています,山岡です.

今回は,皆さんが日々行っている「歯磨き」についてお話しさせていただきたいと思います.

歯磨きの目的は,「虫歯や歯周病の予防」,「誤嚥性肺炎の予防」といったものはもちろん,「食欲の増進」,「手指の運動を促す」ということも挙げられます.

2016年の歯科疾患実務調査(厚生労働省)によると,一人あたりの平均歯数は徐々に増えており,80歳で20本以上有する方の数は,前回調査時には40.2%でしたが,今回は51.2%と大幅に増加していました.この理由として,1989年に開始された,80歳以上で歯を20本以上残そうという「8020(はちまるにまる)運動」や,「“毎日歯を磨く”ことが習慣化された」ことなどが理由と考えられています.

「歯磨き」というと,1番に思いつくアイテムは「歯ブラシ」だと思います.歯ブラシの大きさは,前歯2本分の幅が適切と言われています.大きすぎると奥歯をきれいに磨くことが出来ず,そこから虫歯になってしまうことも….

また,歯の間など磨きにくい部分は,歯間ブラシやデンタルフロスなどで汚れを取り除くことでさらに歯磨きの効果がアップします.実際に私も歯科医院で勧められ,デンタルフロスを使用しています.

また,歯の汚れだけではなく,舌に付着した汚れ(舌苔:ぜったい)があると味覚の低下を引き起こしてしまうなどの問題も生じます.無理にきれいにしようと固い歯ブラシで磨くと舌を傷つけてしまうため,シリコン製や柔らかい毛の「舌ブラシ」といったものが効果的です.近頃はドラッグストアなどでも簡単に買うことできるので,気になった方は一度手に取ってみてはいかがでしょう.

私たちがより健康な生活を送るためには,口の中を清潔に保つことが重要とされています.まずは今使われている歯ブラシや磨き方を一度見直し,お口の中の健康を目指してみませんか?

言語聴覚士 山岡しおり

NST便り-第24報-

 すいか

外気温が徐々に上がってきました.暑くなると食べたくなる果物はすいかです.

そこで今回は,すいかについて,書かせていただきました.

すいかと言えば,水分が多い果物というイメージをお持ちだと思います.

その通りで,すいかは,重量の約90%が水分です.

しかし,意外と栄養素も含まれており,ビタミンD,ビタミンK,ビタミンB12,コレステロール,食塩,この5つ以外の一般的な栄養素は,ほとんど含まれております.

わが家では,盛岡冷麺を食べる時,すいかとカルビ焼肉をトッピングにします.カルビ焼肉には,すいかに含まれない上記5つの栄養素が含まれるため,この組み合わせで,バランス栄養食が1品出来上がるというわけです.

次に,すいかに含まれるアミノ酸について考えてみました.

必須アミノ酸はすべて含まれていますので,筋肉を作るために重要なBCAA(branched-chain amino acid 分枝鎖アミノ酸)は,含まれております.

必須アミノ酸の他に注目すべきと考えられるのは,アルギニンです.

アルギニンは,コラーゲン合成や血流促進に寄与するとされております.褥瘡などの侵襲が発生した時に体内での合成が不足するため,条件付き必須アミノ酸として,最近注目されております.

すいか1切れを食べたとすれば,アルギニンは100 mg摂取できます.当院が採用している栄養剤1本に含まれるアルギニンは130 mgですから,アルギニン補給を考えると,すいかは優秀な果物と言えそうです.

最後に,余談ですが,下の写真は,西アジアの某国を旅行中に発見した果物屋です.国産品と比べて,形も色も売り方も異なったすいかでした.すいかは色の濃さと甘さが比例すると言われておりますが,どうやら本当のようでした.

甘くて美味しかったです.

 

この国では,どこでもこのように販売していました. 日本産と比較すると,果肉は一層赤く,種子の数は多目でした.

管理栄養士 町田郁子

NST便り-第23報-

「シャリバテ」

 

はじめまして.管理栄養士の板倉です.

突然ですが,タイトルの「シャリバテ」とは,どういう意味でしょうか?

正解は登山用語で「低血糖,エネルギー不足」の状態を示します.シャリ=ご飯(エネルギー),バテ=バテる,という意味からきているそうです.おもしろい言葉ですね.

ここから少しだけ私の趣味でもある「登山と低血糖」についてお話をいたします.

登山中は不整地を長時間歩くことからエネルギー補給が欠かせません.足りなかった時に身体の中では肝機能の低下によるブドウ糖の供給不足や筋肉を分解してエネルギーにしようとする働きが起こります.その結果,疲労感,眠気,集中力の欠如,めまい,ふらつき,冷や汗,吐き気等が起こります.

実際に登山中の転倒や滑落等の事故は14時頃が多いというデータがあるそうです.これは原因の一つに昼食後の低血糖が関与していると思われます.

このような症状を起こさないために,基本的なことですが,「朝食をしっかりとる」,「こまめにエネルギー補給をする」,「休憩をしっかり取る」ことが大切です.

これが登山の場合,目的地まであと少しだから….少し休みたいけどグループに迷惑かけたくないから….という小さな理由から十分な休憩やエネルギー補給ができず大きな事故に繋がることがあります.これは登山だけではなく他のスポーツにもいえる事だと思います.

暖かい季節になりました.今年は人ごみを避け,自然の中で過ごそうという方も多いのではないでしょうか.

体調管理に気をつけてお楽しみください.

板倉由紀

NST便り-第22報-

アルコール飲料のカロリー

 

「酒を飲むと ふ と る」とよく言われますが,栄養学的にはどうでしょうか?

アルコール飲料のカロリーは実は難しいのですが,以下考えてみました.

まず,糖による甘みが加わったアルコール飲料は,当然アルコールのみよりも摂取カロリーが高くなりますが,それぞれの量は様々なので,純粋にアルコール飲料のエタノールのカロリーを考えます.

ヒントは

①エタノールのカロリーは7 kcal/g

②エタノールの比重は0.789

③ラベルの記載濃度は体積%です.

④%濃度の他に「プルーフ」とも記載されています.

1

43%のウイスキーを200 ml のむと

→200 ml x 0.43 x 0.789 x 7 kcal = 475 kcal

2

飲んだ量(ml) x プルーフ x 0.027が摂取カロリー

→200 x 86 x 0.027 = 475 kcal

いずれにしても 結構なカロリーになりますね.

一方で,

「エタノールはempty calorie」という考えもあります.

①7 kcal/gは物理的燃焼カロリー

②エタノールのみ摂取すると低血糖になる.

③エタノールのみ摂取しても体重が増えない.

これも事実でアルコール飲料だけ摂るいわゆる「酒飲み」は皆やせています.

飲酒で太るヒトは,そのカロリーの何倍もおつまみや食事を摂っているためと考えられています.

化学物質としてのエタノールのカロリーの高さは明らかですが,実は体内で有効なカロリーにならない理由については完全には解明されていません.

経口摂取減少=飢餓時には,たくわえられていた脂肪酸が肝臓で

脂肪酸→acyl CoAacetyl CoA→酢酸

となって(肝TCAでは酸化されず),末梢,主に筋肉に運ばれ,エネルギー源になります.

一方摂取された酢酸は肝臓でエネルギーを使ってacetyl CoAに変換され,脂肪酸の分解促進,合成酵素抑制に働き,また筋肉でミオグロビンやGLUT4の発現を亢進して,脂肪減少と代謝促進に働き,体重減少に働きます.

エタノールは肝臓で

エタノール→アセトアルデヒド→酢酸  と

分解されるので,acetyl CoAと酢酸は,飢餓と摂取で行き来して脂肪酸の代謝を制御していることになります.

糖質少なめのおつまみと控えめの酒量がベストのようです.

黒川泰任

参考:

1)アルコール度数

ある飲料に対するエタノールの体積濃度(体積百分率:%

2)プルーフ

主に2つある.

①US プルーフ(アメリカ合衆国で用いられる.60°Fで測定)

これは上記度数の2倍の数字

②UK プルーフ

アルコール濃度を測定できなかった時代に酒に課税するために,着火する濃度を課税され始める濃度=100プルーフとして,燃え上がる酒を極上=オーバープルーフ,着火しない粗末な酒をアンダープルーフといった(1980年まで).つまり火が着けばアルコールと証明(=プルーフ)されて課税された.

のちに測定すると,100プルーフは,51°F(10.56℃)において容量率57.1%のエタノール含有液とわかった.

病院見学会(看護師採用)のお知らせ

・病院見学会(看護師採用)のお知らせ

対象:看護学生の方(学生以外の方で転職を検討されている方も歓迎です)

日時:5月22日(土) 10:30~11:30 

*少人数で行う予定ですが、新型コロナウィルス感染状況により中止・変更となる場合がありますことをご了承ください。

・2022年度 看護師採用試験日のお知らせ

2022年4月採用・新卒看護師の試験日をお知らせいたします。

日時:

6月26日(土) 10時~12時

7月17日(土) 10時~12時

8月7日(土) 10時~12時

内容:面接・800字程度の小論文

 

既卒の方の採用募集は、面接のみ随時行います。

当院への就職を希望される方は、ホームページのお問い合わせから、もしくはお電話でご連絡ください。

問い合わせ先:看護部 大澤

NST便り-第21報-

「誤嚥性肺炎と老衰」について

 お久しぶりです.言語聴覚士の磯崎です.この「たより」では3回目の登場です.

今回のテーマは,「誤嚥性肺炎と老衰」です.前回お話させて頂いたように,2009年から「誤嚥性肺炎」は日本人の死因の3位となりました.しかし,2017年に,この状況が大きく変わります.この年,「誤嚥性肺炎」は突然5位へと下降し,2018年に入れ替わるように3位に浮上したのが「老衰」です.

僕の立場では詳細は分からないですが,考えられることとしては,高齢化が進んで国民の3割が高齢者となり,脳血管疾患の治療結果で死亡率が減少し,後遺症は有するが,命を奪う病気ではなくなった…また,誤嚥性肺炎は特別の疾患ではなく「老化現象の一つ」ととらえられるようになったということです.

この受け取り方は,本当に人それぞれだと思います.もちろん,若年でも脳卒中による嚥下障害によって肺炎に罹患される方がいたり,「高齢」と言っても70歳代で非常に元気な方もたくさんおられます.本人や,周囲の方の感じ方は様々でしょう.

ここからは,少し僕の話になります.

僕の祖父は大酒飲みで,我がままな田舎の漁師でした.もう10年程前に亡くなりましたが,亡くなった日のことを今もよく覚えています.とある病院の緩和病棟にお世話になり,概ね本人の意思を尊重してくれました.もちろん食べるものも自由でしたが,祖父は85歳を超え,老齢による嚥下障害が有りました.

僕は幼い頃から祖父が大好きだったこともあり,亡くなる前の数日間を祖父と過ごしました.無くなる前日,鼻から酸素を吸い,咳込みながら焼酎をチビチビ飲み,刺身をちょっとずつ食べて,テレビで「笑点」を見る祖父.

もう満足に呼吸もできず,すっかりやせ細って「尻が痛い…」と座ってもいられない祖父を見ながら,きっと人が亡くなる時は,みんな泣いて,本人も苦しんで…と考えていました.でも祖父はとても「普通」でした.

「(危ないから)食べちゃダメ」「(危ないから)歩いちゃダメ」と娘たち(僕の母達です…)にいつもどやされていた祖父は最後にまた自分らしい生活を取り戻しました.祖父は「誤嚥性肺炎」で亡くなったのではなく,「老衰」という経過で亡くなりました.

おそらく,これが「老衰」の正体だと思います.

長くなりましたが,強調したいのは「その人らしい人生」を実現する上で,「食べる」ということは非常に重要だということです. 自分で食べられるということが大きな「良いこと」で,周りの人たちもそのように助けてあげられたら良いと思います.それはまた,広い意味での「健康」に繋がるからです.

せっかくですので,ご家族や,身近な方で,「摂食」に関して気になることがありましたら,言語聴覚士にもご相談いただければと思います.

磯崎孝輔