NST便り-第62報-

鹿 肉

お久しぶりです.管理栄養士の津川です.

ふと最近,鹿の存在を身近に感じる事が多かったので今回は栄養士目線で鹿肉について少しだけ調べてみました.

鹿肉料理=ジビエ料理となりますが,

「ジビエ」という言葉はフランス語で「食材となる野生鳥獣肉のこと」を指し,フランスでは古くから貴族の間で高級食材として親しまれていたようです.

好みは分かれる味ですが,日本でも農林水産省がジビエの利用を推進する等新しい食文化として根付いていくことと思います.

そこで気になる栄養素を牛もも肉,豚もも肉,鶏むね肉(皮なし)と比較してみました.

                  (100gあたり)

エネルギー(Kcal) たんぱく質(g) 脂質 (g) 鉄       (mg) 亜鉛   (mg)
牛 もも 176 21.3 10.7 2.8 4.5
鶏 むね 105 23.3 1.9 0.3 0.7
豚 もも 170 20.5 10.2 0.7 2.0
鹿 肉 119 23.9 4.0 3.9 2.9

鹿肉はヘルシー代表の鶏むね肉と栄養素が大差ない上に,鉄や亜鉛もしっかり摂取できる優秀なお肉と言えるでしょう.この他にもアミノ酸の代謝に欠かせないビタミンB群も多く含まれているため,リハビリテーションやトレーニング中の方にもおすすめできそうです.

お買い物や外食時の新しい選択肢として鹿肉を取り入れてみてはいかがでしょうか.

※生肉の喫食はE型肝炎ウィルスに感染する恐れがあるため,しっかり加熱してから食べましょう.

NST便り-第61報-

NTT東日本札幌病院,薬剤師の小玉悠香里と申します.

この度2024年6月11日,12日,18日,19日の4日間に渡りNST研修に参加いたしました.1人での心細い参加ではありましたが,皆さんに優しく接していただき,とても感謝しています.

NST回診では実際に患者さんのところに出向き,皮下脂肪厚や上腕周囲長の計測をさせていただきました.患者さんの腹部や足に触れ,肌の乾燥や浮腫について観察しました.患者さんに直接触れることの少ない薬剤師にとってはとても新鮮な体験でより一層理解が深まりました.また,嚥下造影にも立ち会うことができました.日常生活で嚥下を気にして食べることはないですが,食餌内容以外にも嚥下という動作が重要であることに気付かされました.

今回の研修を通して学んだことを日々の業務に生かせるように,これからも頑張りたいと思います.

 最後になりましたが,黒川先生をはじめ,津川先生,中陣先生やNSTメンバーの皆様には,お忙しい中ご指導いただき,心より御礼申し上げます.

NST便り-第60報-

 

はじめまして!

 

理学療法士の古宇田と申します.今年度からNSTに加わることになりました.よろしくお願いします!

私の趣味は野球観戦なのですが,今「大谷翔平」選手の名前を聞かない日はないくらいに大活躍していますね.最近結婚もして公私ともに絶好調☆彡のまさしく時の人ですが,大谷選手のトレーニング動画が話題になっていたことをご存知でしょうか?

エンゼルス時代の動画で,およそ200 kg超の重りを両手で持ってスクワットを数回繰り返している動画があります.大谷選手のトレーニング動画は我々が見ても,本場のアスレチックトレーナーが見ても,とにかくフォームが美しく,基本に忠実であることがわかります.中でも大谷選手の「ヒップヒンジ」に着目している人が多く,今の大活躍の陰には血のにじむほどの努力や確かな知識があったのは間違いありません.

「ヒンジ」とは蝶番のことを指し,ヒップヒンジはお尻を軸にしてお腹と太ももが近づく動作のことを言います.ただのお辞儀とは少し違い,骨盤を立てて胸を張った状態でお腹と太ももを近づける,すごく良い姿勢でのスクワットみたいなイメージです.

ヒップヒンジを意識することでより効果的にお尻の筋肉を鍛えることができます.そして,大腰筋という筋肉も働かせることもできます.野球においても姿勢保持おいても大腰筋はとても重要だと言われており,その注目度は年々増すばかりです.

大腰筋とはお肉屋さんで言うとヒレ肉のことを指すらしいです.赤身が多く柔らかい,とても美味しい部位ですよね.私も大好きです.(高級なので普段はあまり食べませんが…)

大腰筋は腰から大腿骨まで伸びている筋肉で,「座位での姿勢保持に重要であり,また立位でも上半身と下半身を結びつける重要な役割を果たすことになる」と言われています.そして,お年を召すのに伴い一番委縮する(細くなる)筋肉は太ももやふくらはぎの筋肉ではないのです.なんと大腰筋だったのです.

大腰筋は走る時に使われる筋肉だからということもありますが,骨盤に対して姿勢を真っすぐに保つ役割もあるようです.少しでも良い姿勢を保つためには大腰筋を働かせてあげる必要があるということみたいですね.

大腰筋を働かせるポイントとしては,立った状態から棒などを持ち両手はバンザイ,胸を張った状態でお腹と太ももを近づけるようにスクワットをしてみてはどうでしょう?立派なヒレ肉の出来上がりです☆彡

(どこかに痛みがあるときは決して無理はしないでくださいね.)

引用文献:

 総合リハビリテーション 「高齢化とリハビリテーション」

 大腰筋機能の臨床的考察

NST便り-第59報-

心の栄養

突然,母が入居している老人ホームから「血圧と脈が下がったので来てほしい」と連絡が入ったのは2024年4月1日の午後のことでした.

主治医の先生からは「お母様は苦しがったり痛がったりしていないので老衰です この施設で看取ることもできますがどうしますか」と聞かれ,兄と相談した結果お願いすることにしました.

翌日,血圧と脈は戻りましたが,それまで多寡ありながらも食べていたペースト食や栄養補助食品を食べなくなったと施設より話がありました.

私は,前月NSTチームで行った栄養補助食品の試食会の時に食べやすいと感じた栄養ゼリーのことを思い出しました.母が果物好きであったため,藁にも縋る思いでマスカット,ピーチ,甘夏味のゼリーを,施設の許可を得て食べさせてもらいました.

食べた日もあり,食べない日もあったようですが1日30 g ~ 50 g が限界でした.

この時期,「母の日」のプレゼントとして毎年エプロンを贈り,実家に遊びに行くと何時もそれを身に着けてくれていた,そんな律儀な母なので,少しでも口にしてくれたのかなと思います.

11日後,母は亡くなりましたが,私にとって栄養ゼリーは満足感で心を満たしてくれた『心の栄養』だったと思います.

 

事務 町田 実

NST便り-第58報-

鉄フライパン

看護師の鈴木です.

約2年前に休日の日課でもあるランニングによる「貧血」をテーマに投稿しました.

その後何か普段の生活で改善できることはないものかと考え・・・・・・思いついたのが「鉄フライパン」を使う!でした.(本当は「少し良い調理器具が欲しかった」が一番の購入目的でしたが・・・・・・)

栄養素の鉄にはヘム鉄,非ヘム鉄があります.

ヘム鉄-吸収率や利用率が高い

                       レバー,マグロ,カツオなど動物性の食物に多く含まれる

非ヘム鉄-吸収率や利用率が低い

                       ほうれん草,小松菜,ひじきなど植物性の食べ物に多く含まれる

鉄フライパン,鉄鍋での調理で補給できる鉄は「ヘム鉄」です.鉄分の溶けだす量は料理に添加される調味料に影響され,酢・ケチャップ・食塩の順に多くなり,特に酸性にかたよっている酢では溶出量が顕著に増加するそうです.

また,調理時間にも影響され,調理時間が長いほど溶け出す鉄分の量が増加するという研究結果もありました.

鉄鍋からの鉄溶出量

ビーフシチュー       4.19㎎

酢豚                           1.4㎎

野菜炒め                   0.61㎎

鉄フライパンは手入れが面倒くさい,焦げ付きなど,フッ素加工のフライパンと比べ敬遠されがちですが,今はIH対応で錆びにくいものが多く出ています.

なによりフッ素加工が剥がれ買い替える必要がなく,使えば使うほど焦げ付きにくくなり,私も2年ほど鉄フライパンを複数使用していますが,一生モノで育っていく感じがいいですね.

病院見学会(看護師)のお知らせ

2024病院見学会(看護師)のお知らせ

対象:看護学生の方 (学生以外で転職を検討されている方も歓迎です)

日時:令和6年3月16日(土) 10:00~11:00 

   令和6年3月22日(金) 10:00~11:00 

   令和6年4月13日(土) 10:00~11:00 

  見学会に参加を希望される方、上記以外の日時をご希望の方はホームページのお問い合わせから、もしくはお電話でご連絡ください。

問い合わせ先:看護部 大澤

看護師採用試験のお知らせ

2025年度 看護師採用試験日のお知らせ

2025年4月採用・新卒看護師の試験日をお知らせいたします。

日時:

令和6年5月18日(土) 10時~12時

令和6年6月15日(土) 10時~12時

令和6年7月20日(土) 10時~12時

*定員に達したい終了します。

内容:面接・800字程度の小論文

※ご希望の方は、各試験日の2週間前までに下記の書類を郵送し、直接ご連絡下さい。

・成績証明書〈新卒の方のみ〉

・履歴書〈自筆〉志望動機の記入欄があるもの


*既卒の方の採用募集は、面接のみ随時行います。

下記の書類を面接日にご持参ください。

・履歴書 

・看護師〈准看護師〉免許証のコピー


当院への就職を希望される方は、ホームページのお問い合わせから、もしくはお電話でご連絡ください。

問い合わせ先:看護部 大澤

NST便り-第57報-

27回日本病態栄養学会 年次学術集会

第27回日本病態栄養学会 年次学術集会が,国立京都国際会館で,「京都大学医学部附属病院 武庫川女子大学 幣 憲一郎」会長のもと,2024年1月26, 27, 28日開催されました.

参加登録者数 :5,160名

現地来場者数 :2,656名

一般演題         :517題                                                                    とのことです.

当院からは

①中陳貴史 薬剤師

ア)一般演題

            「服用薬剤の嚥下機能への影響」

②黒川泰任

ア)一般演題

            「高アンモニア血症と高齢者,NST」

イ)シンポジウム9 

「終末期・緩和ケア」の座長を,  愛媛大学医学部附属病院 栄養部 利光久美子先生とともに

ウ)教育講演18

            「画像診断」

エ)日本病態栄養学会 学会賞 「Seino Yutaka賞」を受賞しました.

「北海道地方会の設立および地域に於ける簡易栄養評価法確立の試み」

が,現地参加いたしました.

 

当院は「栄養管理・NST実施施設認定」を受けるための「指定研修施設」として認定されて研修希望者を受け入れており(東北・北海道で3施設:北海道唯一),引き続き栄養分野の活動を充実させていく必要があります.

御面会に関するおしらせ

おしらせ

感染予防といたしまして、当面の間全病棟への御面会を禁止させていただきます。

但し、荷物等の受け渡しはお受けいたしますのでナースステーションへお尋ねください。

ご不便おかけし申し訳ございませんが、ご協力お願い申し上げます。

                                                      江別谷藤病院

 

NST便り-第56報-

NST`実施および加算のための資格研修に,恵佑会第2病院から,2023年12月20日に2名の方が当院で研修を修了されました.

 年末のお忙しい中,大変お疲れ様でした.

 研修の感想をいただきました.

 

NST研修を終えて

恵佑会第2病院 看護師 澤代久美子と申します.

この度,当院で新たに立ち上げるNSTメンバーと,12月5日,6日,19日,20日の計4日間,NST研修に参加させていただきました.

 黒川先生をはじめ,管理栄養士に津川先生,薬剤師の中陣先生,摂食嚥下認定看護師の高橋先生の講義は,浅い知識であったためとても勉強になりました.基本的な栄養の知識を理解できていなかったため,質問に上手く答えることができませんでしたが,黒川先生には沢山の栄養のことをご指導いただきました.どうしてなのかと自分で考えることが重要であるということを,今回の研修で感じることができました.

 実際のNST回診では,患者様に触れ,皮膚の状態や浮腫の確認,上腕周囲長と皮下脂肪厚の計測も実際に測定を体験することができました.経管栄養患者様の造影嚥下検査にも同席でき,STさんや放射線技師さんから状況を詳しく聞け,多職種とのコミュニケーションを取るということの大切さも実感できました.また,栄養改善に向けてチーム一丸で情報共有し連携し,必要なことを提案し栄養管理につなげていくということの大切さを改めて知ることができました.

 実際にDXAを体験させていただき貴重な経験となりました.検討段階中のDXAがなくても代用して簡便に四肢の筋肉量が計算できる計算式を学ぶこともできました.

 お忙しい中ご指導いただきました黒川先生,津川先生,中陣先生,高橋先生,NSTメンバーの皆様,見学させていただいた患者様に心から感謝申し上げます.4日間の研修で学んだことを活かし,NSTメンバーとしてしっかりと頑張っていきたいと思います.

 

NST研修を終えて

恵佑会第2病院 看護師の中野佳奈と申します.

 この度は12月4-5日,19-20日の4日間のNST研修に参加させいただきました.お忙しい中,講義や見学にお時間を割いていただき,本当にありがとうございました.

黒川先生の講義では,栄養の基礎知識が全く足りていなかった私を,最後まで暖かく見守り,ご指導していただいた事を心から感謝いたします.

他種職が連携しアセスメントをする事,全体像を把握し必要な栄養管理方法や援助方法を考える事がとても有効的である事を痛感しました.また,栄養状態の評価方法やDXAに関して,新しい知識を学ぶ事ができ,貴重な体験をさせて頂きました.そして,今までとは違う目線で,患者様の状況をアセスメントしていける知識を沢山学ばせて頂きました.

今後は,今回のNST研修で得た知識をさらに深める様に勉強を重ね,何故なのか,どうしたら良いのか考える姿勢を大切に,患者様と向き合っていきたいと思います.

ご指導頂きました,黒川先生,管理栄養士の津川さん,薬剤師の中陣さん,摂食嚥下認定看護師の高橋さん,NSTメンバーの皆様,NST回診時に快く協力して頂いた患者様,心から感謝いたします.今後は当院でNSTを立ち上げた際には,今回の研修で得た知識と体験を生かしていきたいと思います.4日間本当にありがとうございました.