NST便り-第9報-

NST便り-第9報-

例年より積雪は少なく,春の温かさを感じる季節となりました.

今回は,カロリー(kcal)と運動(筋肉)についてお話させていただきます.カロリー(以下,kcal)という言葉を聞いたことがあるでしょうか.kcalとはエネルギーの単位のことです.1 kcalは1 Lの水を1 ℃温めるエネルギーに相当します.一般的に男性は1800~3100 kcal,女性は1400~2340 kcalが一日に必要となります。多すぎるとエネルギーが余り,脂肪として蓄積し,少なすぎると筋肉が痩せ,骨がスカスカになってしまいます.多すぎず少なすぎずのバランスが大切です.減量を目的とした場合,運動をして痩せようと思うことが多いのではないでしょうか.様々な要因によって変わりますが,歩行の場合,50 kgの人は10 分(670 m)歩くと約26 kcal消費されます.60 kgの人は10分歩くと約32 kcal消費されます.運動で消費されるkcalは思ったよりも少ないと感じた方が多いのではないでしょうか.運動は筋肉を使います.人間の体には大小含めて600程度の筋肉があります.筋肉の役割の中でもお伝えしたいものが3つあります.1つめは熱を作り,代謝を上げる事です.人間の体温は36~37 ℃に保っています.この熱産生の6割は筋肉が担っています.筋肉は常にエネルギーを消費していて,筋肉が多いほどこの発生量が増えて代謝がより上がります.2つめは免疫力を上げることです.免疫細胞は筋肉の中にあるグルタミンというアミノ酸によって活性化されます.そのため,筋肉が減ると免疫機能が低下していまいます.3つめはホルモンの産生です.ホルモンの産生は筋肉内で行われます.ホルモンには抗炎症作用があり,痛みなどの炎症を抑える効果があります。良く食べ,良く休み,適度な運動をすることが重要です.運動はすぐには効果が出ませんが,見えないところで良い効果がたくさんあります.当院にはリハビリテーション科スタッフが45名在籍しております.専門スタッフが外来リハビリテーション,通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションがありますので,あらゆる状況に対応できますので気になる方は是非ご相談下さい!

理学療法士 野陳佳織