NST便り-第65報-
掲載日:2024.11.12
NST加算のためには,日本病態栄養学会などから指定を受けた施設で「NST資格研修」を受け,認定を受ける必要があります. このNST資格研修のために,2024年10月から11月にかけて,札幌心臓血管クリニックから,当院で研修を修了された方から,感想をいだだきました.
NST研修を終えて
2024年11月12日
札幌心臓血管クリニック 看護師 高橋邦行
4日間の研修を終えて色々な学びがありました.これまで患者様の治療に手術や薬が最も重要であると考えていました(急性期の病院で長く働く中でそういう思考に偏った可能性があります).したがって手術をすれば,薬の調整さえつけば元気になるだろう.食事やリハビリテーションは二の次,と「少し軽く思っていた側面があったな」と気づかされました.食事は患者様の治療に欠かすことのできないものであることを学ぶとともに,栄養とは何か?を考えるときに筋肉量はじめ人体の構成,化学の基本知識,点滴内にどの程度の成分が含まれているのか,といった部分をある意味あやふやな感じで扱っていたかもしれないと今は反省しています.
「元気にする方法は手術や薬だけじゃないんだ」,例えば咀嚼が難しい患者様がいたとして,傍にいる看護師の気づきでご飯を「お粥とキザミ食」に変えてみる.それだけでご飯を食べてくれるようになれば.そんな一介の看護師の配慮でも患者様を元気にすることはできるかもしれないと思った反面,それでも看護師一人では限界があるなとも思いました.
各職種からなるNSTでは各分野から情報を持ち寄り患者様毎に異なる疾患,年齢,性別,ADL,性格,発言,日々の生活,等々を検討し栄養管理および評価が行われていることを学びました.チームの一員としてより良い栄養サポートをしていくため,看護師の領域だけではなく他職種の知識もある程度知っておく必要があると考えさせられました.
得られるものが多く職業観も変わったこの研修は,今すぐにでも使える知識や方法があり,病院に戻ったら学び得た知識を生かして看護師の立場から患者様にできる栄養援助をしていきたいと思います.とても充実した研修でした.
最後に,研修のご指導,サポートをしてくださった黒川先生,薬剤師の中陳様,栄養士の津川様,看護師様,PT様,ST様,参事の町田様,関わったすべての皆様に感謝を申し上げます.
ありがとうございました.