NST便り-第10報-

NST便り-第10報-

気温も暖かくなり,過ごしやすい季節になってきました.

今回は,嚥下障害に対する食形態の対応として広く使われている「トロミ」についてお話させていただきます.

トロミ剤とは,誤嚥の予防を目的に,汁物や飲料に付加する物のことを言います.主に汁物や飲料を中心に使用されますが,汁気のある食品に対しても使用が可能となっています.例えば,お粥は嚥下障害のある方の多くが摂食されていますが,時間の経過と共に離水し,本来の食形態とは変化してしまうことがあります.水っぽくなってしまったお粥は,嚥下障害のある方にとっては,サラサラしているためムセやすくなり,誤嚥のリスクが高まり食べにくい形態となってしまいます.そのような場合に,トロミ剤を付加し,安全な形態に調整することがあります.

トロミの必要性や程度は,個人で異なるため,言語聴覚士による評価結果に基づいて判断しています.

また現在,トロミ剤の他にも嚥下調整食など,嚥下障害のある方も安全に食べられる物が広く普及しています.

安全に楽しいお食事の時間を過ごすためにも,各人にあったトロミや嚥下調整食を選択することが大切です.

何かお困りのことがありましたら,是非ご相談下さい.

言語聴覚士 小松 結愛

新年度を迎え

2月頃に北海道でも発症者が見つかった新型コロナウイルスの猛威が本州でも広がりつつあり、先日は志村けんさんが亡くなるというショックなニュースが報道されました。
北海道では緊急事態宣言の期間が終わったと言え、道外から来られる方がいなくなった訳ではありませんので、状況は緊急事態宣言中とほぼ変わっていないかと思います。
いつ終息するか先の見えない現状ではありますが、一人ひとりが感染のリスクを少なくするような行動を心掛けるようにし、この難局を乗り越えたいものです。

さて、4月になり、当院にも15名の新しい仲間がやってきました。
新人だけでなく経験者の方もいますが、全員の心を一つにし、より充実した医療を皆様に提供していけるよう、職員一同今まで以上に励んでいきたいと思います。

NST便り-第9報-

NST便り-第9報-

例年より積雪は少なく,春の温かさを感じる季節となりました.

今回は,カロリー(kcal)と運動(筋肉)についてお話させていただきます.カロリー(以下,kcal)という言葉を聞いたことがあるでしょうか.kcalとはエネルギーの単位のことです.1 kcalは1 Lの水を1 ℃温めるエネルギーに相当します.一般的に男性は1800~3100 kcal,女性は1400~2340 kcalが一日に必要となります。多すぎるとエネルギーが余り,脂肪として蓄積し,少なすぎると筋肉が痩せ,骨がスカスカになってしまいます.多すぎず少なすぎずのバランスが大切です.減量を目的とした場合,運動をして痩せようと思うことが多いのではないでしょうか.様々な要因によって変わりますが,歩行の場合,50 kgの人は10 分(670 m)歩くと約26 kcal消費されます.60 kgの人は10分歩くと約32 kcal消費されます.運動で消費されるkcalは思ったよりも少ないと感じた方が多いのではないでしょうか.運動は筋肉を使います.人間の体には大小含めて600程度の筋肉があります.筋肉の役割の中でもお伝えしたいものが3つあります.1つめは熱を作り,代謝を上げる事です.人間の体温は36~37 ℃に保っています.この熱産生の6割は筋肉が担っています.筋肉は常にエネルギーを消費していて,筋肉が多いほどこの発生量が増えて代謝がより上がります.2つめは免疫力を上げることです.免疫細胞は筋肉の中にあるグルタミンというアミノ酸によって活性化されます.そのため,筋肉が減ると免疫機能が低下していまいます.3つめはホルモンの産生です.ホルモンの産生は筋肉内で行われます.ホルモンには抗炎症作用があり,痛みなどの炎症を抑える効果があります。良く食べ,良く休み,適度な運動をすることが重要です.運動はすぐには効果が出ませんが,見えないところで良い効果がたくさんあります.当院にはリハビリテーション科スタッフが45名在籍しております.専門スタッフが外来リハビリテーション,通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションがありますので,あらゆる状況に対応できますので気になる方は是非ご相談下さい!

理学療法士 野陳佳織

NST便り-第8報-

NST便り-第8報-

23回日本病態栄養学会年次学術集会

 

2020年1月24-26日,茨城キリスト教大学 生活科学部 食物健康科学科 石川祐一教授を会長に,国立京都国際会館で第23回日本病態栄養学会年次学術集会が開催されました.

当院から資格講習受験や演題発表で、以下参加いたしました.

当院NSTからの演題発表は3題で、

①P-038 転倒を契機として嚥下障害を呈し,手術後嚥下障害が消失した変形性頸椎症の一例:小松結愛

②P-027 入院患者における服薬内容確認の必要性・重要性:中陳貴史

③P-196 自然災害時の拠点病院としての役割と課題―給食と管理栄養士の立場から―:藤井美里

また、シンポジウム7「精神疾患患者に対するNSTの関わり」で,黒川泰任が座長と基調講演(精神疾患患者栄養管理の難しさ)を努めました.

会期中は天候にも恵まれ,例年見られる比叡山の冠雪もなく、底冷えも実感できませんでした.会員数9000名越えの大きな学会ですが、今回の参加者は5400名、演題数 600題越えでした.

全国の会員に刺激され、またNST活動を邁進していきたいと強く感じました.

黒川泰任

節分

2月3日、節分の日の午後、当院に人の良さそうな鬼が4名現れました

鬼は各病棟の病室などを回りましたが、患者様のご協力もあり見事に追い払うことが出来ました

これで入院患者様の皆様にも福が訪れる事、間違いなしですネ