NST便り-第59報-

心の栄養

突然,母が入居している老人ホームから「血圧と脈が下がったので来てほしい」と連絡が入ったのは2024年4月1日の午後のことでした.

主治医の先生からは「お母様は苦しがったり痛がったりしていないので老衰です この施設で看取ることもできますがどうしますか」と聞かれ,兄と相談した結果お願いすることにしました.

翌日,血圧と脈は戻りましたが,それまで多寡ありながらも食べていたペースト食や栄養補助食品を食べなくなったと施設より話がありました.

私は,前月NSTチームで行った栄養補助食品の試食会の時に食べやすいと感じた栄養ゼリーのことを思い出しました.母が果物好きであったため,藁にも縋る思いでマスカット,ピーチ,甘夏味のゼリーを,施設の許可を得て食べさせてもらいました.

食べた日もあり,食べない日もあったようですが1日30 g ~ 50 g が限界でした.

この時期,「母の日」のプレゼントとして毎年エプロンを贈り,実家に遊びに行くと何時もそれを身に着けてくれていた,そんな律儀な母なので,少しでも口にしてくれたのかなと思います.

11日後,母は亡くなりましたが,私にとって栄養ゼリーは満足感で心を満たしてくれた『心の栄養』だったと思います.

 

事務 町田 実