NST便り-第30報-

「ST」NST

ご無沙汰しております.言語聴覚士の磯崎です.

たびたび記事を載せていただいていますが,今回は「言語聴覚士(以下ST)」という職業について書きます.

STは、理学療法士(以下PT),作業療法士(以下OT)と同じく,リハビリテーションの専門職で,脳卒中の後遺症で失語症,構音障害などの言語障害に対して言語訓練をしたり,近年では,日本人の死亡原因の3位(最近は「老衰」とされて5位まで下がりましたが…)となっている「嚥下障害」に対する嚥下訓練を行ったりする資格職です.

「自分が人生の最後に何を食べたいか?」と質問されたりしたことはありませんか?

このコーナーで多くの職員が書いたように,私たち日本人にとって「食べる」ことは,「生活の質」,大げさに言うと「人生の質」に大きく影響していると思います.

僕は,おいしいものを食べるだけで,とても幸せな気持ちになります.とても大切なことです.

20歳代より40歳代では食べられる量は減ります.寂しいことに,どんどん食べられなくなっていきます….80歳代,90歳代だとどうでしょう….食べることが,少し大変になってきます.

「楽しみ」が「楽しみ」ではなくなってしまう辛さ.

僕はSTをしていますので,老齢で食べられなくなっている人の評価や訓練をすることがあるし,脳卒中による嚥下障害で食べられなくなってしまった人にも評価や訓練をすることがあります.

人は食べたもので出来ていますから,この「NST」は身体的な健康を支える上でも,とても大切だと考えています.

食べられなくなって,やせ細っていく人もたくさん見てきましたし,運動を頑張っても必要なたんぱく質やアミノ酸を摂らないと筋肉はつきません.

つまり,食べることは,人生の大きな楽しみであるし,食べなければ健康も得られない必然ということです.

このNSTという組織では,僕たちSTも含めて様々な職種で多角的に皆さんの「食べる」ことを支えます.

栄養を摂って,適切な運動をする,これがわれわれ生物の理想と必然です.しかし、人は必ず食べられない時が来ます.老齢や病気によってです.そうやって死を迎えるのも生物の宿命だからです.

皆さんが少しでも長く,楽しい食事ができるようにお手伝いさせていただきます.何かあったらお声掛けください.

おいしいもの食べて,楽しく過ごしましょう.

ではまた!