NST便り-第27報-

皆さんはじめまして.臨床検査技師の山本と申します.

秋があっという間に訪れ,気温が下がって空気が乾燥する季節になってきました.空気が乾燥すると肌だけでなく,喉や鼻の粘膜も同じように乾燥します.乾燥すると鼻の粘膜が弱って傷がつき,鼻づまりや鼻血が出やすくなります.また,粘膜が乾燥するとウイルスなどの異物が体内に侵入しやすくなります.そのため,乾燥肌の対策だけでなく鼻粘膜の乾燥を防ぐことがとても重要です.

乾燥に加え,寒いと鼻水が出て鼻をかむ回数が多くなり,さらに粘膜が傷ついて鼻血しやすくなります.私も鼻をかむと鼻血がでることが多いです.鼻血の主な原因としては,空気の乾燥,鼻炎などで鼻の粘膜が弱って傷つき,毛細血管が破れて出血します.

鼻血を予防するには,鼻の粘膜を傷つけないことが重要で,鼻をいじることは避け,鼻をかむときも優しくかむようにします.また,粘膜をつくりだすビタミンや鉄分などの栄養素を摂取することで鼻の粘膜が強化され,予防につながります.粘膜をつくる栄養素を含む食品としては,ムチンを含む納豆,オクラなどねばねばした食品,ビタミン(A, B2, B6, Cなど)を含む緑黄色野菜,果物,乳製品,卵,レバーなどがあげられます.これらの食品を意識して摂取することで,粘膜が強化されます.

また,鼻血は普段の行動,生活習慣や乾燥に気を付けることでも,ある程度予防できます.

これからの季節はインフルエンザやコロナの検査を受けることが増えると思われます.検体を採取する際に鼻腔を綿棒で傷つけることもあります.検査が必要ないように,皆様体調管理をしっかりしてお過ごしください.

臨床検査技師 山本 みお