NST便り-第24報-

 すいか

外気温が徐々に上がってきました.暑くなると食べたくなる果物はすいかです.

そこで今回は,すいかについて,書かせていただきました.

すいかと言えば,水分が多い果物というイメージをお持ちだと思います.

その通りで,すいかは,重量の約90%が水分です.

しかし,意外と栄養素も含まれており,ビタミンD,ビタミンK,ビタミンB12,コレステロール,食塩,この5つ以外の一般的な栄養素は,ほとんど含まれております.

わが家では,盛岡冷麺を食べる時,すいかとカルビ焼肉をトッピングにします.カルビ焼肉には,すいかに含まれない上記5つの栄養素が含まれるため,この組み合わせで,バランス栄養食が1品出来上がるというわけです.

次に,すいかに含まれるアミノ酸について考えてみました.

必須アミノ酸はすべて含まれていますので,筋肉を作るために重要なBCAA(branched-chain amino acid 分枝鎖アミノ酸)は,含まれております.

必須アミノ酸の他に注目すべきと考えられるのは,アルギニンです.

アルギニンは,コラーゲン合成や血流促進に寄与するとされております.褥瘡などの侵襲が発生した時に体内での合成が不足するため,条件付き必須アミノ酸として,最近注目されております.

すいか1切れを食べたとすれば,アルギニンは100 mg摂取できます.当院が採用している栄養剤1本に含まれるアルギニンは130 mgですから,アルギニン補給を考えると,すいかは優秀な果物と言えそうです.

最後に,余談ですが,下の写真は,西アジアの某国を旅行中に発見した果物屋です.国産品と比べて,形も色も売り方も異なったすいかでした.すいかは色の濃さと甘さが比例すると言われておりますが,どうやら本当のようでした.

甘くて美味しかったです.

 

この国では,どこでもこのように販売していました. 日本産と比較すると,果肉は一層赤く,種子の数は多目でした.

管理栄養士 町田郁子