NST便り-第14報-

ソフト食

北海道の短い夏も終わり,過ごしやすい気候になってきました.しかし季節の変わり目は体調を崩しやすいものです.栄養価の高い食材や美味しい料理をたくさん食べて免疫力を高め,病気を寄せ付けない身体を作りましょう!

さて,当院では2020年8月より『きざみ食』を廃止し『ソフト食』を導入しました.

きざみ食は:
食材を細かく刻んだ食事のことで,噛む力が弱くなった方に適しています.しかし,
①食材によっては口の中でばらけて食塊形成(食べ物を口の中でまとめること)しにくいため,誤嚥につながる可能性があります.そのため刻んだおかずを全てお粥に混ぜて,飲み込みやすくして召し上がるという方もいらっしゃいます.また
②細かい食べ物が歯の間に挟まって,虫歯になる可能性も高くなります(口の中が不衛生だと,細菌が気道に入り肺炎を引き起こす誤嚥性肺炎にもつながります).

その点ソフト食は:
①料理を一度ミキサーにかけてから固めているため,口の中でばらけず,スムーズに飲み込むことができます.ソフト食は誤嚥しにくく安全な食形態といえるのです.
②ミキサーにかけたものをそのまま提供する『ミキサー食』とは異なり,出来るだけ普通の食事に近い見た目に形成しているため,患者様自身が何を食べているのか分かりやすいというメリットもあります.

食事において重要なのは安全性だけではありません。見た目や味付け,色彩などにも配慮して献立を作成するよう心掛けています.

栄養科では今後も安全で美味しい食事の提供ができるよう,皆さんの意見を取り入れ,改善を重ねていきたいと思います.

管理栄養士 新美麻子