NST便り-第10報-

NST便り-第10報-

気温も暖かくなり,過ごしやすい季節になってきました.

今回は,嚥下障害に対する食形態の対応として広く使われている「トロミ」についてお話させていただきます.

トロミ剤とは,誤嚥の予防を目的に,汁物や飲料に付加する物のことを言います.主に汁物や飲料を中心に使用されますが,汁気のある食品に対しても使用が可能となっています.例えば,お粥は嚥下障害のある方の多くが摂食されていますが,時間の経過と共に離水し,本来の食形態とは変化してしまうことがあります.水っぽくなってしまったお粥は,嚥下障害のある方にとっては,サラサラしているためムセやすくなり,誤嚥のリスクが高まり食べにくい形態となってしまいます.そのような場合に,トロミ剤を付加し,安全な形態に調整することがあります.

トロミの必要性や程度は,個人で異なるため,言語聴覚士による評価結果に基づいて判断しています.

また現在,トロミ剤の他にも嚥下調整食など,嚥下障害のある方も安全に食べられる物が広く普及しています.

安全に楽しいお食事の時間を過ごすためにも,各人にあったトロミや嚥下調整食を選択することが大切です.

何かお困りのことがありましたら,是非ご相談下さい.

言語聴覚士 小松 結愛